久し振りにHPを訪問……年の始めで掲示板が寂しそうなので、思いつくままに書き込みを始めました―― 6日水曜日でしたか、NHKの昼1時のニュースにつづき何となく「スタジオパーク」を視聴していると、この日のお客さん(ゲスト)が大江健三郎氏で、懐かしさのあまり終わりまで視てしまい――もう50年以上も昔の〜実に青臭い学生時代の思い出にタイムスリップしておりました。 「法科の学生が大江の小説に被れるとは軟弱だぞ!」〜それが友人の慣習になっていたが―夏休暇に福岡へ帰省する途中、神戸に途中下車して私の実家(当時は東灘区魚崎町)に一週間以上逗留していたM.Tが、第39回上半期(昭和33年)の芥川賞作品『飼育』を繰り返し読んでいた俺に白い目を向けていたことたが無性に懐かしく思い出された……。マスコミ志望の早稲田3年生だったが、その頃の愛読書は「文学界」。大江作品との最初の出会いは「文学界」の新人賞『死者の奢り』で、「凄い新人が出てきたぞ!」と、興奮したことを覚えている。その期待通りに『飼育』が芥川賞を獲得したのだった。夏休み期間中に『飼育』を5回以上読み返したものだった。 「文学界」の思い出に宇能鴻一郎がいる。彼もやはり『光の餓え』で「文学界」新人賞を―その時も期待したが、宇能もその後直ぐに『鯨神』で芥川賞を受けている。宇能といえば今では、官能小説家となっている。大江はノーベル文学賞作家、宇能は官能作家……ほぼ同世代の東大出身のふたりの落差を、「スタジオパーク」を視聴しながら「人生いろいろ…それが面白いのだ」と、一応納得しつつ、ТVのスイッチを切ったのだった。 大江が番組で紹介していた新作『水死』(講談社)を、久し振りに大江作品を読んでみる気になり、何時もお世話になっている調和図書館へ問い合わせたところ、調布市の図書館で5冊購入したが、全て貸し出し中で、私は37番目の予約だとのこと。桜が咲き出す頃までには連絡が来ることだろう…気長に待つことにしている。 拙い思い出話で申し訳ないようでしたが……。明日は、昼に大学近くのそば屋「金城庵」でクラス会の新年会(4人が体調不良で欠席、出席は8名とか…だんだん寂しくなりますね…)、夜は「早稲田サロン」と、新年会の梯子です…。 |
| Res: 拙い思い出話
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大江健三郎といえば私は『沖縄ノート』を思い出します。 学生時代、クラスメートとこの本についてよく語り合ったものです。 講演会にも行ったことがありますが、大変わかりやすかったですし、 障害のある長男について話すときの作家も自然で温かみがあって好きでした。 捕虜となった黒人兵士について書かれたという『飼育』は、 芥川賞をとった作品だというのに残念ながら読んでいません。 今度図書館で借りて是非読んでみようと思います。 |
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| Res: 書棚から大江の『飼育』が出てきました!
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返信ありがとうございます。 私の遠い遠い思い出の大江作品『飼育』に関心がおありとか…書棚の隅っこに眠っておりましたよ―昭和33年の夏休みに幾度のなく読み返した同年4月発行の彼の初めての作品集「死者の奢り」。大江はその後記で「僕はこの書物を、僕が小説を書くことよりもむしろ、よく勉強する良い学生であることを望んでいる母と長兄、あなたたちに贈りましょう。」と述べております。ノーベル文学賞作家の原点ともいえる彼にとっても忘れなれない「作品集」ではないかと思いますが……。もうボロボロの一冊ですが、良ければお貸ししますので、是非大江健三郎氏の東大生時代の小説を読んでみて下さい。 100冊以上あった文芸雑誌「文学界」「早稲田文学」は家を建て替えた折(平成元年)に妻の相談の上、処分しましたが、早稲田時代の思い出の『死者の奢り』は捨てずに保管してあったようですね。編集会議の折に持って行きます。 |
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| Res: 書棚から大江の『飼育』が出てきました!
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関根さんが半世紀も前から大切に保管してこられた『死者の奢り』をお借りできるとのこと、 とても光栄ですし、うれしく思います。 あとがきに書かれているという母親と長兄に向けた文章にも大江健三郎の偉大なパワーを感じます。 大切に読ませていただきます。ありがとうございます。 |
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